養老院より大学院

脚本家・内館牧子の社会人大学院経験を書いた本。文庫も出てるらしい。
横綱審議委員会でよく話題にでるけど、まさか大学院へ行って相撲の研究していたとは知らんかった。しかも、男女平等から土俵を守りたいという情熱からというのがすごい。わたしも、男女平等とは別次元のものでしょ?と違和感を持ってたから、このことは、そうそう、と大きくうなずいたのでした。
大学院へ行って得たもののひとつに「ノウハウではない考え方」を挙げている。社会に出て加齢と共に身につけてきた物の見方や考えの幅は、社会を生き抜くために得た「ノウハウ」である。それは生き残っていくために必要なものだけれど、大学院ではそういった実学的な見方や考え方ではなくて、日々の生活とかけ離れた別の広がりを持たせてくれたという。
最近、4年生大学も、卒業後なりたい職業に就くためのカリキュラムを土台とした授業づくりや、資格を取るための環境が整っていることを売りにしたり、実際人気があったりして、すごく、専門学校的になってきてるなぁ。文学部とか、肩身が狭いじゃん、大学でしかできない学問をきちんと守っていってほしいよなぁと思っていたから、そうそう、「ノウハウではない考え方」こそ大学で大切にしていってほしいんだよ、とずいぶん共感してしまいました。
養老院より大学院