本をよむ

わたしが芸術について語るなら

「さあ描こうと思ったときに、ソファーでひっくり返っていたら、描けないだろ。つねにアトリエにいれば、ほんのわずかなひらめきも、それがきっかけになって自分のスランプから抜け出すことができるかもしれない。だからどんなに描けなくてもアトリエにいな…

藁塚放浪記

こういう世界があるのは最近うすうす気付いていたのだが、やっぱり。藁塚を楽しめるようになったら、もう日本どこに行っても飽きないよな。屋根、畳、蓑、草履、箒、餌、何でも藁だったんだ。便利だなぁ。

有元利夫 絵を描く楽しさ

図書館で思い出した、私の好きな画家。出会いは宗教画のよう、というか宗教画みたいな深みがある。雰囲気が好きだ。ゆるやかに幸福へ向かってるような。 亡くなる前年の日記だそう。身につまされる言葉。38歳は早すぎる。

アンビエント・ドライヴァー

「・・・自然と人間とを分けて考えるからいけないのではないかという気がしてくる。人間も自然の一部であることに変わりはない。それがこんなに繁殖してしまったことも、自然の一つの事実であり、増えすぎて自然を破壊しているというのもその成り行きなのである…

本棚

午後お休みで、明るいうちに家に戻ったので、のんびり本棚を物色。 先日、国立新美術館のシュルレアリスム展の案内をみて、あっ、と思い出した「百頭女」と、こういう何となく憂鬱なときはペソアだなと、2冊棚から取り出した。 こんな本が置いてあるなんてな…

特集野口里佳

買ってしまった2800円。写真雑誌なんて初めて買ったなぁ。今一番お気に入りの作家。久しぶりのそわそわする買い物。ちょっとずつ読みすすめて楽しもう。

チロ愛死

このニュース、書店の新刊コーナーで知りました。いつかはこういう時が来るとは思っていたけど衝撃。ぱらぱらと繰って、そっと本を山へ戻す。いつか買う気になる日が来るだろう。 『愛しのチロ』は名作。終わりもって完成されることを、悲しくも実感。

二つの月の記憶

ミステリーと知らずに読んだ久しぶりの読み物。岸田今日子ってやっぱすごい。女優が書いた文章ではなく、これはほんと小説家。すーっと周りの空気が冴えるような、上質の物語たち。

食べるのが好き 飲むのも好き 料理は嫌い

なんとなく借りた本。食器あり、食材あり、料理道具あり。雑誌に連載されたちょっとしたエッセイなのに、力強く、迷いが無い感じが爽快。 お、真似してみようと思ったのが、「我知るや南の酒」の項の「コーヒー泡盛」。聞き及んではいたが、こんなに絶賛され…

夜の来訪者

ひさびさに1日家でぼーっと過ごした。猛暑だったらしいが、今回の家はこの上なく風の通りがいいので最高。 図書館でふと目に留まって借りてみた。久しぶりの岩波文庫。手にとるタイミングがなかなかないけど、英米の文学もたまに読むとおもしろいなぁと思う…

沖縄、島ごはん

ときどき息抜きの一冊。ぱらぱらと眺めてはほーっと力が抜ける。発売してすぐのときに、ムックのわりに高くって悩んで衝動買いしたんだけど、やっぱりいい本だったな。 沖縄で自然農法の自給自足生活を実践する著者の、はやりで言うと、スローでナチュラルな…

オリガ・モリソヴナの反語法

あれよあれよという間に読み進めてしまいました。すっごくおもしろかった。人にオススメできる読み物って難しいけど、これは迷わずオススメできると思う。 いいところは、巻末の池澤夏樹との対談にしっかり書かれていたので、私の感想を述べるまでもないなぁ…

くんぺいごしちごアフリカえほん

古本屋で購入した中でもかなりお気に入りの1冊。これが100円だったとは。 1977年、1980年にケニアに行ったことをもとにしてかかれたそう。アフリカのにおいが詰まった一冊。市場の人々のいきいきとした様子や、暑い空気の中で、いきものが活発に生きている感…

グアテマラの弟

南米は憧れの地。マヤ文明、音楽、色、ボレゴ三兄弟。同じ太平洋に面しているのに、日本からは遠い大陸。でも、なんとなく親しみがある。この本をみても、日本人と南米は気が合うんじゃないかとおもってしまう。日本が憧れる大きさと明るさがある。 仕事の働…

森と氷河と鯨

また星野道夫。どっぷり読んだ感じがする本。けど、写真も多いし読みやすい。森の緑がすごくみずみずしい。 軽いかんじのエッセイとかとは一線を画し、ワタリガラスの伝説がこの本を貫いている。クリンギット族のボブとの出会いから始まり、ワタリガラスの神…

毎日つかう漆のうつわ

漆塗は、お盆とか重箱とかはほしいなぁと何となく思っていたのだけど、この本を読んだら、大皿や小皿はもちろん、お茶碗すら"ぬりもの”でほしいなぁと思ってしまった。どんな料理もおいしそうだし、手入れもやきものと比べても大変そうじゃないし、割れにく…

旅をする木

星野道夫の本は初めて読んだ(絵本除く)。彼からの手紙を読んでいるようで、アラスカの空気と時間の流れにどっぷりはまってしまった。行ってみたい。エスキモー、インディアン、かつて漂流した日本人のこと、ワタリガラスの伝説... 「私が東京であわただしく…

はるかぜのたいこ

さぶい。春まではもう少しあるのかなぁ・・・ ページをめくるたびに重くて冷たい色の冬から、明るくて暖かい春の色に染まっていく。くまのもってきた大だいこをドーンとたたくたびに、寒がりうさぎが春の風にぶわっと吹かれる。花粉症にはむずむずするかもだけ…

ポッケのなかから

今年はどんな感じの生活を送ろうかなぁ。仕事、趣味、家事...。のんびりとした時間だけは確保したい。やりたい趣味があって、家事にも力を入れてみたい。でも仕事はやめる程でもないし...。まだ悩み中。 ありきたりな本だし伊藤まさこには興味ないんだけど、…

本特集雑誌

この手のものはうっかり買ってしまう。蒼井優のページで『しかもフタが無い』(07.12.14)があったので「そうそうこれいいのよねー」とつぶやきながらファミマでつい。でもこれで本欲が抑えられるので良しとしよう。読むのが好きというよりは、装丁眺めたり、…

谷川俊太郎質問箱

一番印象に残ってる質問。うろ覚えなので間違ってたらごめんなさい。 「どうして毎日お風呂に入らないといけないんですか?(○○26才)」 「26才にもなって、どうしてこんな質問をするハメになったのでしょうか。僕は毎日は入りません。」 落ち込んだときはこ…

チェコ、キプロス

どうしてもほしくなって、発行元から購入。 まだ、読みきれてないので。ながめて考える。 何か「絵」のようだ、北方とかの。空想のような、人間が構成したような・・・(確かに家とか街は人が作ったものだけど)。 あ、構図があるということがそう思わせるんだと…

マイナス50℃の世界

とあるテレビドキュメンタリー番組(椎名誠がレポーターだったらしい)の取材の通訳だった著者が、その旅の中で体験したシベリアのヤクート自治共和国、現サハ共和国での体験を綴ったもの。過去に出版されたものを再編集したものらしい。 「毎日小学生新聞」…

ヒョードル

図書館のパンの棚にあったが。 ロシアロケ&高橋ヨーコということで読んでみた。一部で絶大な人気の著者2人が、あたためてきた夢の企画だそう。写真は風景とかでなく、女の子がパンモチーフの耳あて。ファッションページみたい。 「テーマはパン」といっても…

終生ヒトのオスは飼わず

ロシアネタは多くなくて、著者の猫と犬の話が主。「無理の理」には感動したー。 私は猫と犬を同時に一匹ずつしか飼ったことがないので、米原宅のような犬猫同士の関係にまつわる話はすごく興味深くて、5匹とか一緒に飼ってみたい〜と思ってしまいました。実…

水玉の幻想

カレル・ゼマンのアニメーションはみてない。3000円と思いのほか高いが、大学時代に若気の至りで買ってしまった1冊。とはいえ、いまだに棚にあることを思い出すので、意外と気に入っているのかも。沼田元気はスーベニールシリーズが人気だけど、そっちはそれ…

鳥を見る

以前、図書館でふと目にして借りただけなのに、今でも印象に残ってる、吸い込まれそうな空気感。野口里佳という人の写真作品集。出会ったことのない雰囲気の写真。浮遊感と引力を感じた。 技術の方は詳しくないので、うまく言えないけど、全体的にぼやっとし…

心臓に毛が生えている理由

米原万里、最後のエッセイ集。もうこれ以上新しい話が出ないのかと思うと、私はまだほとんど読んでないんだけど、ひとつひとつ大切に読もうと思います。 ほんと面白い。貴重なロシアネタがほとんどに入ってるのも魅力的。小さな話ばかりなので、いつもよりさ…

ちっちゃなほわほわかぞく

クウネル7月号の表紙がガース・ウィリアムズで「うぉっ!」と本屋さんで驚いた。いまさらこれが特集されるなんて思ってもみなかったから。さすがクウネル。表紙はほわほわかぞくで超かわいい。やっぱり歌のところが一番かわいい。しっかりてるけど落ち着いた…

木をかこう

新緑がまぶしいですねー。明日からはまた天気が崩れるそうですが。 通勤で通る大通りのでかい街路樹を見ると、ブルーノ・ムナーリの「木をかこう」の表紙を思い出す。あの白い背景に鮮明に映える、みずみずしい黄緑色が浮かぶ。けど内容は覚えてないなぁ。