No Man’s Land

土曜、東京ついでに行ってみた。無料だし、「大使館旧館に入れる最後のチャンス」の謳い文句につられて。多いだろうと予想していた展示は思っていたより多く、夜なのに人も多かった。校舎みたいな造りも手伝って、レベルの高い文化祭ってイメージ。夜でもにぎやかで楽しいといえば楽しい。
フランス大使館旧庁舎は1950年代に若いフランス人建築家によって建てられた。写真とかで見ると、モダンで簡素な様式に庭園との融合が素敵な建築っぽい。あぁ、夜行ったせいかその辺が全然見えなくてすごく残念。また昼に建物だけでも見に行きたい。でも、コンセントとか蛇口とか細部が異国の空気を出していて、古い建物らしい素敵な意匠が見られました。格子のついた窓は外部と隔離された建物を思わせるけども、日本の障子みたいでどこかやさしい印象。クローゼットとか窓とかも、一部屋一部屋ちょっとずつ違って面白い。写真は郵便屋さんの部屋っぽい。

70名近くのアーティストたちがそれぞれ部屋を与えられて現場で制作、雑多に展示。普段現代アートに興味のない建物目当ての人たちもいるみたいで、そうならよけいに建築を生かした展示にしてほしかった。夜行ったせいか、作品がぎらぎらしてるのだけが目立った。いい建築と認めるなら、中心の階段とファサードは、そのままにしておいてほしかったなー。
別館では東京芸大の学生たちの展示やっていた。正直こっちの方が面白かったような・・・。一番気に入った金沢寿美の展示。双眼鏡で覗くと物語の?景色が見える。夜の暗い部屋がぴったり。

50年間は日本のマンションになって、その後またフランスに戻るみたい。不思議な空間だ。この類稀な場所について考える貴重な機会だといいつつも、あまりそれが伝わってくる作品が少なくって残念。
どっからお金が出てるのかなぁと思ったらパンフレットにたくさん企業名があった。無料で入れてパンフレットは100円ってちょうどいい感じ。
◇『No Man’s Land』在日フランス大使館/2009年11月26日〜2010年1月31日/無料
◇『MEMENTO VIVERE/MEMENTO PHANTASMA(生きた記憶/幻の記憶)[12月11〜27日]』在日フランス大使館庁舎別館/2009年12月11日〜27日/無料