大竹伸朗

時々思い出す展覧会。2006年の秋に東京都現代美術館で開催された「大竹伸朗 全景1955-2006」。予備知識は《ジャリおじさん》だけ。ずらーっと見せられると、圧倒されるというか、こんなにがちゃがちゃいろんなことしてて、エネルギーが有り余ってるだけじゃないのか、アートってこういうものだったっけか、どこにいっちゃうんだろう、とか巡りながらちょっと心配になったりもして。
思い出すのは、この展覧会の最後の部屋にぽつんと陳列されていた《釣船#1》という作品。2000点もの作品の列挙に疲れきって、やっと出口だ、というところにあったこの作品の存在感に、これまでの疲れが吹き飛んでしまった。これいい!この展示のために制作されたそうで、廃船の部材に、何も手を加えてないかのように、ペンキ(?)が塗りつけられている。残骸のまま、存在感を強調させられている感じ。あーいろいろやってきたけど今の作品が一番いい、この人がたどってきた道は間違っていなかったんだ、なんだかほっとした。今思い出してもほっとする。
人生のうちに、もう一度みたい作品の1つだなー。
http://www.japandesign.ne.jp/HTM/JDNREPORT/061129/ootakeshinrou/3.html