津田直展

11月に刊行された写真集『SMOKE LINE』を引っさげての展覧会。いや反対、展覧会を引っさげての写真集の発売か。写真はどっちがメインかわかりませんね。「赤々舎」という聞きなれない出版社だったんだけど、HP見たら結構最近話題のにあがってそうな写真集がここから出てたみたいでした。覚えとこ。
雑誌の展覧会紹介に載ってて魅きつけられて行った人が多そう。小さい写真でも存在感あります。10日に行きました。
風景を撮っている方のようで、今回は、中国、モンゴル、モロッコを旅して3年かけて制作した新作。
「津田は、これまで、各地を旅し自らを風景に溶け込ませる独特の視点で、私たちを囲む風景の拡がりや、時間の流れの大きな連続性など、写真では体験できないものを写しとることを試みてきました。津田のまなざしを通して提示された風景には、深い奥行と、透明な空気感、静かながら観るものを作品の奥へと惹きつける鋭さと強さがあります。」はHPより。
今回のは、「風」「世界のつながり」を意識しているよう。
大展示室「SMOKE LINE」では、中国、モンゴル、モロッコの広々とした風景を混在させ、地平線を同じ高さにして展示。異なる地域の大きな6枚の写真が、1つの線として結び付けられ、地球のつながりを体感させます。冷たい空気、生ぬるい空気が頬に触るような感覚がありました。みてるといい気分です。
小展示室「SMOKE FACE」は、さっきの遠景に対して近景。人の気配を感じさせる写真を、詩と織り交ぜて展示。こっちはいまいち好みではありませんでしたが。
写真を活版印刷で仕上げるという新たな表現方法にも挑戦しているそうです。技術的なことはわかりません。

◇「津田直展 SMOKE LINE―風の河を辿って」資生堂ギャラリー/2008年10月28日〜12月21日/無料