糸の先へ いのちを紡ぐ手、布に染まる世界


布が好きな人にはたまらないのだろうけど、私にはちょっと。でも、図録には作家の言葉が結構載っていて興味深く、あわせてみたらおもしろかった。
作品で惹きこまれたのは、nui projectの玉留めと波縫いからなる作品。見たらふっと1年前の津波を思い出した。何だろう、作品の断片がクローズアップされて脳に飛び込んでくると同時に。エネルギー。繭が糸になって布になる、異質なものになる。異質なものになるってことがまだうまく分からない、分かりたい。
そうだ最近美術館へ行かなくなってたのは、触覚が使えないからかもしれない。美術館って、視覚だけで、脳で補うって感じ。私きっと五感のバランス悪くなってたんだろう。1年手を動かしていたせいかそんなことを感じる。聴覚は「美の巨人」とか結構効いてるかも。嗅覚のことを考えた展示とかおもしろい。素材のにおい、作者が感じてたにおい。
◇「糸の先へ いのちを紡ぐ手、布に染まる世界」福岡県立美術館 /2012年2月4日〜3月11日/一般700円